地震予知に挑むブログ

不可能と結論づけられた地震予知。でも、迫りくる大地震の尻尾を捉えたい。

日本各地で多発しすぎる深発地震の恐怖。日本は沈没するのか?

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上の図は、Hi-netのここ1ヶ月に発生した地震の図です。

日本列島の姿が見えない程、びっしりと震源で埋め尽くされていますね。

色の違いは、震源の深さの違いです。

赤い色は、深さ10km以内程度の浅い地震。黄色は深さ30km程度。緑は100km程度、青は300~700kmの深発地震です。

単独で起きているように思える地震も、周辺には同じ深さの地震があり、関連性があることが判るでしょう。

こうして日本列島を俯瞰で見ると、プレートの動きが生々しく伝わってきます。

 

中でも気になるのは、青い点の深発地震です。

まず、東海地方から東海沖・小笠原沖まで、青い点が太いベルトのように連なり、規模もやや大き目に深発地震が多発しています。北陸から日本海にも青い点があります。

また、先日函館で地震があった北海道でも、道北や日本海側に青い点が目立ちます。

また熊本地震があった九州の南、南西諸島でも青い点が連なります。

黄色から緑、そして青とグラデーションのように点が連なるのは、プレートが沈み込んでいる証拠です。

東海沖の深発地震は、太平洋プレートが沈み込んでいる為に起きています。アメリカ大陸西岸から太平洋を移動してきたプレートは、東北の沖の日本海溝で、陸の北米プレートの下に潜り込みます。そして、ここ東海沖で深く地中に沈み込み、核の熱で溶かされ、やがてマントルに戻ります。

その為、地震の起きる限界深度は700km程度とされています。深発地震は、プレートの断末魔の叫びのようなものです。

しかし、これ程の深発地震が多発するのは、異常事態としか思えません。東日本大震災から5年も経っているのに、太平洋プレートの沈み込みは異常な程活発で、衰える様子がありません。

ガンガンと沈み込んでいますが、その上には、非常にデリケートな構造が乗っています。その沈み込むプレートの上には、北米プレートだけではなく、関東から西にはフィリピン海プレートや関東フラグメント、ユーラシアプレートもあり、その構造は複雑です。そこで大規模な地殻変動が起こっているのです。

北海道周辺の深発地震は北米プレートがユーラシアプレートに沈み込む地震です。

また、南西諸島の地震は、フィリピン海プレートがユーラシプレートに沈み込む地震です。 

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つまり、日本列島の南端と北端と中心部で、プレートが活発に動き、3方向から地下に深く潜り込んでいるのです。

思わず小松左京さんの傑作「日本沈没」を思い出してしまいました。

日本列島が大規模な地殻変動によって支えを無くし、やがて沈没するというSF小説ですが、あながち無いとも言えません。

今、日本列島でも、とてつもない地殻変動が進行しているのです。

あちこで軋むように、地震や噴火が相次いでいます。日本列島はどうなってしまうのでしょうか。

プレートが動くと、歪が溜まります。それを発散させるのが、地震です。

こまめに発散すればいいのですが、特にフィリピン海プレートは大地震型として知られています。

不安定になった日本列島に住み続ける1億人以上の人々。この事実を知っているのは、何人いるのでしょうか。

 

日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1)

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