熊本地震は連鎖するか? 地殻変動異常でやはり中央構造線が危ない
国土地理院の最新の地殻変動情報が更新されました。5月7日までのデータです。1ヶ月間のデータですので、熊本地震後の地殻変動を知ることができます。
九州は、画面に収まらないほどの激しい地殻変動を起こしていました。まるで放射線状を描くように、熊本ー大分ラインの北側は北へ、南側は南へ。更に震源域近くは、南側が西へ、北側は東へと、大きく動いていました。
これにより、今回の地震は正断層要素の強い右ずれ断層地震だった事が判ります。正断層とは引っ張りの地震で、大地を引き裂くようなパワーが働いていたのです。
九州南部が大きく西に移動し、それに引っ張られるように西日本全体も西に移動し、その影響は関東から東北地方までも及んでいます。
その中で気になる地方があります。それは山口県です。
四国・中国地方が西に動く中、山口県だけは九州北部の北移動に引っ張れて北西に動いています。瀬戸内海・伊予灘を挟んで対岸の愛媛は西に動いていますから、歪が溜まる恐れがあります。
熊本ー大分ラインの延長線上に、愛媛から四国を南北に貫くように中央構造線が走っています。日本最大の活断層に刺激を与える可能性は高いのです。
通常、地殻変動のスピードは、年間数センチです。爪が伸びるスピードに近いのです。爪は見ていても、伸びたのが判らないですよね。でも確実に伸びている。
地殻も、それぐらいのスピードで確実に動いています。それが数週間でメートル単位で動くなんて、ものすごい異常な事なのです。影響は必ず出てきます。
事実、伊予灘から豊予海峡・豊後水道では、ここ数日微小地震が多発しています。薩摩半島西方沖でも大き目な地震がありした。熊本ではかなり収まってきましたが、これからはやはり、震源の東移動に注意が必要です。
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