なぜ、東海地震は発生せずに、遠隔地の大地震が相次ぐのか
東海地震は、40年も前から、「あす起きてもおかしくない」と警戒されてきました。国は大震法を定め、観測と防災に力を入れ、予知も出来ると巨額の予算を投じたのです。
しかし、ご存じの通り、大地震が全国各地で相次ぎましたが、ノーマークの場所ばかりでした。全てが想定外で、想像以上の被害をもたらしらのです。
なぜ、東海地震は起こらないのでしょうか。
そもそも、40年前に、それほど切迫していたのでしょうか。
昭和の東南海地震(1944)と南海地震(1946)が起きたのに、東海地震が起きなかった事から、東海地震が切迫しているとされました。
ただ、2つの地震は、規模が小さめでした。もしかしたら、プレート境界のひずみが解消されていないのかもしれません。
東海地区だけを見ると、前回の東海地震から150年程経過しています。今なら、そろそろ起きても、不思議ではないでしょう。
しかし、東海地震は起きずに、地震はむしろ少ない状態です。それは、固着域という場所が関与しているからです。
固着域とは、地表のプレートと、その下に潜り込むフィリピン海プレートが、固着しているエリアです。すなわち、東海地震震源域となります。
フィリピン海プレートは若いので、他のプレートとくっつきやすい性質があります。特にこの固着域は強固で、ぴったりと張り付き、一体化しているようなのです。
陸のプレートとフィリピン海プレートのひずみが限界の達すると、固着域が一気にはずれて、巨大地震が発生します。ただ、今まではフィリピン海プレートの沈み込みに陸のプレートが一緒に押し込まれるような状態が続いていました。
日本列島は押し込まれても、陸のプレートは固くて強いので、逃げようがありません。結果、日本列島にねじれるように隆起し、歪んでいました。
そのストレスの最も溜まりやすい場所が、神戸ー新潟ラインだったのです。
そして、東海地震は発生せずに、阪神と新潟の大震災が起きてしまったのです。もし、東海地震が発生していたら、二つの大震災は発生しなかったかもしれません。
今でも、この固着域は、日本列島全体にストレスを与えています。東海地震は発生しなくても、他の地域で大地震を発生させるかもしれないのです。
最近は東海地区での地震が増加しています。固着域を取り巻くように地震が発生していて、固着域は徐々に剥がれているのです。
日本列島全体を歪ませる固着域が一気に剥がれると、考えるだけでゾッとしますね。
東海地震が発生しないのは一見良さようですが、溜まった歪が大きくなり、大地震のリスクが高まるのです。
「次(東海地震)は多分大きい」
多くの専門家の共通した認識です。