熊本地震の今後は・・・最悪のパターンも知っておこう（追加）
熊本地震発生から1か月半が経ちましたが、まだ収まっていません。阿蘇地方から熊本市内、有明海や八代湾、天草地方など扇状に震源が広がっています。
また、奄美大島近海ではM5.5の地震が発生。日向灘、豊後水道、伊予灘でも地震が発生しています。ジリジリと震源が四国に広がっているようにも見えます。
今後、どうなるのでしょうか。勿論、このまま収束してくれるのが一番いいですよね。でも、悪い方のパターンも知っておかなくてはいけません。
東日本大震災の前に、西暦800年代に津波が20メートルを超えるような地震が東北沖で発生していた事が判っていました。東京電力も知っていました。でも、1000年以上前だし、そんな最悪なパターンは起きないだろうと過小評価していたのです。
阪神も新潟も東日本も、人知を超える被害を出しました。備える為には、厳しい現実に向き合って下さい。脅しているわけではなく、過去の発生した地震から推定しています。地震には繰り返す性質がありますから。
以下は、最悪のパターンを予想してみました。
1. 南海トラフ地震の発生
最悪のパターンは、日向灘・南海・東南海・東海の4連動地震です。九州東岸で進むフィリピン海プレートの沈み込みが、南海トラフを刺激し、日向灘で大規模な破壊が発生。次々東へと連鎖していくプレート境界型地震です。西日本の太平洋沿岸は、大きく長い揺れと、大津波に襲われます。発生パターンは東日本大震災の時と近いですが、津波到達は遥かに早いので、避難の緊急性が高いです。名古屋、大阪など大経済圏が被害を受けると、流通など日本中が大混乱に陥ります。
2. 四国、和歌山で大地震が発生
日本最大の活断層である中央構造線を、東に震源が移動していくパターン。熊本地震のメカニズムである右横ずれ断層の歪が、四国にも及び大地震が発生。順当に考えて、発生の可能性が高い地震です。また、中央構造線を辿って和歌山まで連鎖すると関西にも大きな揺れをもたらし、経済的損失が大きくなります。
3. 阿蘇山の大噴火
熊本－大分ラインには南北に引っ張る力が働いていますが、このような場所にはマグマが上がってくることがあります。阿蘇山がその出口です。今は静かですが、突然の大噴火が起きる可能性のあります。地震が噴火を誘発する事も、また逆に噴火が大地震を誘発する事もあります。最悪のパターンは、破局噴火です。これが起きると九州全滅で、人類存亡の危機です。恐ろし過ぎるので、興味のある方は調べて下さい。ちなみに、阿蘇山は過去４回も破局噴火をしているスーパーボルケーノです。富士山噴火が危惧されていますが、パワーは比ではありません。
４. 再活発化と震源の拡大
今は小康状態ですが、パワーの源であるフィリピン海プレートの沈み込みが活発なので、地震活動が再活発化する可能性があります。震源が鹿児島や長崎にも広がるかも知れません。まだ動いていない活断層が刺激され、更なる大きな揺れが起きるかも。九州西方沖での大地震発生を警告している研究者もいます。海域での地震は津波の可能性もあります。鹿児島、長崎、宮崎などでも警戒が必要です。
5. 西日本で活断層型地震が発生
南海トラフ地震の前には内陸型活断層地震がいくつか発生する事が知られています。南海トラフで歪が発散される前に、歪が岩盤を破壊し、活断層型地震を起こします。鳥取、兵庫などは歪が影響しやすく、比較的地震が少ないとされる中国地方も、安心ではありません。大阪上町断層や京都なども要注意です。
6. 関東や東北に波及
熊本地震による地殻変動異常は、関東や東北にも及んでいます。地殻の動きはダイナミックです。デリケートな箇所に刺激を与えると、大地震を誘発する事もあり得ます。昨日のブログにも書きましたが、相模トラフ周辺で地震が増えています。また、東北沖の地震活動もいまだ活発です。青森や北海道の東方沖も注意が必要です。
７. 日向灘で大地震が発生
これは、最も起こりやすい地震の一つです。南海地震はすぐには発生しませんが、数年をかけて南海トラフを南海・東南海・東海と連鎖していきます。かなり厄介なパターンです。九州東岸や四国南岸は津波に注意が必要です。
８. ダラダラと長期化する
数か月、または年単位で地震が群発する状態が続きます。時には規模の大きい地震が発生するかもしれません。大地を引き裂く動きが、地形さえ変えていきます。小さな地震でも何度も繰り返し起きると、地盤に深刻なダメージを与え、更なる災害を招くこともあります。
以上、あくまでも悪いパターンです。杞憂に終わればいいのですが、熊本地震は今生きている人類が経験した事のない事態です。人知を超える事態に発展するかも知れません。過小評価せず、備えて下さい。
