熊本地震から1か月、関東・首都圏は大丈夫か?
熊本地震は、4月14日の一度目の震度7から1か月を過ぎました。まだ地震はありますが、小康状態のようです。しかし、震源の拡大は更に進んでいるように見えます。
鹿児島の西方沖や、八代湾沿岸、トカラ列島など地震が増えていて、注意が必要です。
そうした地震の影で、実は東日本の地震活動も活発な状態が続いていました。
はたした関東、首都圏は大丈夫なのでしょうか。
実は、茨城県などで地震が増加しています。また、珍しい東京直下や東京湾での地震もポツポツと起こっています。
その原因は、東日本大震災を引き起こした太平洋プレートの沈み込みです。5年経った今でも衰えることなく続いています。宮城、福島の沖でも活発な地震活動が見られます。
比較的規模の小さい地震が無数に起きていますが、これ自体は悪いことではありません。小刻みな地震で、プレート間のストレスが発散されれば、大地震のリスクは少なくなります。
むしろ、じっと動かないフィリピン海プレートの方が、大地震のリスクを抱えています。
問題なのは、複雑な関東の地下で、太平洋プレートが活発に動いていることです。
関東は北米プレートに乗っていますが、地下には比較的浅い場所にフィリピン海プレートがあり、その下に太平洋プレートが潜り込んでいます。実は、その間には関東フラグメントと呼ばれるプレートの破片のようなものが挟まっているとの説があります。そのため、関東の地下はミルフィーユのようにプレートが重なりあっているのです。その境界線、ミルフィーユのクリームの部分では、プレート境界型地震が起きる可能性があります。
東日本大震災も、心配される南海トラフ地震もプレート境界型ですが、海域で起きる事が多いのです。しかし、関東では首都の直下でプレート境界型地震が起きる可能性があるのです。直下型は当然揺れが大きくなります。また断層型に比べ、被害範囲が広くなります。場所によっては津波も起こります。
実は、今政府が被害想定している首都圏直下型地震は、活断層型を想定しています。直下型プレート境界型地震の方が、ずっと被害が大きくなるのです。もし、浅い場所でこのタイプの地震が起きれば、首都圏は壊滅的な打撃をおうでしょう。
東日本大震災でプレート間の破壊が連鎖して南下しましたが、関東の手前で止まりました。フィリピン海プレートが茨城沖で突き出ていて、そこにぶつかって破壊が止まったのです。あの大地震から関東を守ってくれたのはフィリピン海プレートでした。
しかし今も、複雑な構造の地下でプレートは動き続けているのです。
今、関東に地震が比較的少ないのは、むしろ奇跡的な事です。切迫した前兆は見られませんが、リスクだらけであることは間違いありません。